野菜をつくる力が、未来をつくる力になる。

【 アジアレポート/2017年7月_Topics.01 】
ー 野菜をつくる力が、未来をつくる力になる。ー

 


 
7月中旬から、地雷被害者を含む障害者家族の生計向上支援プロジェクトの活動のひとつとして、家庭菜園推進に向けた野菜栽培技術トレーニングを開始しました。対象100家族を20家族ずつのグループに分け、各回2日間のトレーニングを行います。

野菜栽培のトレーニングの様子
〔野菜栽培のトレーニングの様子〕


対象世帯の村人達の中には、市場に通い野菜を買う人がいます。それは、バイクで市場に通うためのガソリン代や食費に、わずかな収入を費やしていることを意味します。

「まずは村人の支出を減らし、収入と支出のバランスを整えよう」という意図で、これから家のまわりの少しの土地でできる家庭菜園を推進していきます。


また、現在カンボジアには、タイやベトナムから農薬を使用した野菜が輸入されてきています。カンボジアの人達は意外にも「農薬は身体によくない」という意識を持っている人が多いのですが、自分で野菜を作っていない人は農薬がたくさん使われた野菜を買ってしまっています。

今回のトレーニングでは、EM(Effective Microorganisms/有用微生物群)と呼ばれる、カンボジアにあるもので作れる自然農薬の作り方も伝えました。お金を払って農薬を買わなくても、身の回りに生えている植物で身体にも環境にも優しい薬を作ることができるのです。

自然農薬作りのために薬草を刻む地雷被害者
〔自然農薬作りのために薬草を刻む地雷被害者〕


家庭菜園によって、市場で野菜を買うお金を節約できれば、ほかのもっと大事なことや必要なものにお金を使うことができます。子ども達の教育費や、病気になった時などの急な出費に備えて貯蓄しておくこともできます。そして、安全でおいしい野菜は未来の私たちの健康な身体をつくっていくのです。

トレーニング終了後も一人ひとりの状況にあわせてフォローしながらプロジェクトを進めていきます。

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「ほら、こんなモノも作れるようになったんだ」
満面の笑みで見せてくれた元子ども兵。
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記事執筆/
アジア事業
インターン 川島綾香
(編集:サブマネージャー 延岡由規)
 

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「野菜を売ったお金でおいしいご飯が食べられるときが幸せ」

2017年度・夏季募金のコンセプトは「仕事」
テラ・ルネッサンスでは15年間の活動の中で、たくさんの地雷被害者や貧困家族が自立のために知識を得て、自分の足で未来に向かって一歩一歩力強く歩いています。

夏季募金終了まであと3週間。
8月、アジア、カンボジアの「働く人」。

第7回目の今回は「家畜飼育」
当会の活動地ロカブッス村で、牛の飼育、自然に生えてる空芯菜やたけのこの販売をして収入を得ているワン・チョンさんです。



家畜銀行からのサポート

半年前から、テラ・ルネッサンスの家畜銀行から借りた牛を飼育し始めた
ワン・チョンさん。
19年間兵士として働いていましたが、今は牛の飼育や空芯菜・たけのこを収穫して収入を得ています。

笑顔のワンさん一家
笑顔のワンさん一家


現在は、家畜銀行から借りた牛の他に、タイに出稼ぎに行っている知り合いの牛の世話もしていて、合計二頭の牛を飼っているそう。
子どもが生まれたら、子どもをワンさんがもらい、親の二頭は家畜銀行と知り合いに返却する予定です。

カンボジアでは牛はとても高価なもので、子牛でもUS$500、成牛になるとUS$1000〜2500。
教師の月給が約$120であることを考慮すると、その貴重さがわかります。
しかし、牛を飼うことは初期投資が大きいので貧困層にとっては難しいとされています。


「牛が育って売れて収入が入ってきたら、遠くの方に畑があるので、そのお金でトラクターを借りて耕して、
 とうもろこしやキャッサバを作りたい。」



牛の世話で、お水をあげるのは重要なので、牛が鳴いたらすぐお水をあげるようにしているそう。
以前、ワンさんは牛を10頭飼っていたが、家を建てるためにだいぶ売ってしまいました。




現在のワンさんの収入源は、自然に生えている空芯菜やたけのこを収穫し市場で売ることです。
収穫できるのは2日に1回ほどで、毎回の収入は50000〜80000リエル(US$12.5〜US$20)
カンボジアでの日雇いや出稼ぎの仕事が1日約5ドルであることを考えると、多い日はかなり収入が得られている印象を受けました。
しかし、自ら野菜を栽培していなく、自然に生えているものを収穫していることを考えると、収入は安定していないのです。

今まででつらかったことは、
「毎日食べる物を安定して手に入れられないこと。」
だと語るワンさん。

その日暮らしの生活で、毎日食べ物の心配をしなければいけないのは
本当につらいことだろうと感じました。


ワンさん一家へのインタビュー
ワンさん一家へのインタビュー

仕事をしていて嬉しい、楽しいと感じるときは、

「野菜を売ったお金でおいしいご飯が食べられるとき。
いつもより多く収入があるときはビール1缶買って、ご飯食べて寝るのが1日の楽しみ。」


現在は、野菜の収穫から市場での販売まで、すべて一人で行っているというワンさん。
以前は奥さんと二人で行っていたのですが、奥さんが足を痛めてからは一人です。

テラ・ルネッサンスのサポートで牛を飼えてることがとても嬉しいと語るワンさん。
安定した収入を得るために牛という資産を持つことは、とても大事なことなのだなと感じました。




インタビューをして感じたこと

「牛を得た収入でやりたいことは?」と聞いたとき「キャッサバ・コーンの栽培」と返答がありましたが、
今の買い取り価格を聞くと、彼自身その買い取り価格が下落し厳しい状況であることも理解していました。
村人の中には、買い取り価格の低下によって借りた借金を返せず土地をとられてしまったり、借金を返すためにまた借金をする、という状況の人もいます。

しかし、まだまだ換金作物栽培はお金になると思っている人がいるのが現実です。
テラ・ルネッサンスでも、グローバル経済のリスクやその対処の仕方を伝え、一緒に考えていく必要があるのだと感じました。



記事執筆/
ヒアリング:カンボジア事務所 インターン  川島 綾香
編   集 :インターン 大野

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「野菜を売ったお金でおいしいご飯が食べられるときが幸せ」
人間として基本的な幸せを感じられる機会を
未だ紛争や貧困で苦しむ地域に増やしたい。

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< 2017年度・夏季募金 進捗状況(※ 8/9時点)>

・目標人数:400 人
・寄付者数: 179
・達成率  : 45
・残り日数: 22 日
 
- 実施期間:7月1日から8月31日まで-
 
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平和というつながりの中で生きる。

20170809_03


 
長崎を故郷とする被爆三世の私にとって、
8月9日は特別な日だ。

同時に、ある苦しさを感じる日でもあるー
 
 

72年前の今日、私の祖母は
長崎で原爆の被害にあい、
ヒバクシャとなった。



祖母の家庭は貧しく、
ふかした芋をこしらえ、
街の家々を売り歩いては
生活の足しにしていたという。
 
 

8月9日も、そんな風に変わらぬ日常だった。



「芋はいらんですか」と、家の玄関先で
家主に話しかけていたとき、遠くの雲の隙間から
大きな飛行機が現れたのが見えた。
 

 
「お前たちのおっけん飛行機のきたやっか、帰らんか!」



罵声にも似た言葉をあびせられ、
近くの防空壕に逃げ込んだ直後、
原爆が長崎の街の上空で炸裂した。



その後の市内は、
川や道路に焼けただれた死体が溢れ、
まるで地獄のようだったと
祖母は涙ながらに語ってくれた。

 
 
私自身、祖母から被爆体験を
しっかりと聞くことができたのは、
高校生になってからのことだ。



長崎にある平和活動団体、
『高校生一万人署名活動』を
ご存知だろうか。



20170809_02




街頭に立ち、市民のかたへ
核兵器廃絶を求めた署名の協力を呼びかけ、
年に一度、国連欧州本部へ届けて
各国のリーダーたちへ核兵器廃絶を訴える
という活動だ。



平和への関心について、
この活動へ参加したことが、
私の原体験となった。
 

 
このように、8月9日が特別な日である一方で、
同時に、ある苦しさを感じる日でもあった。



その理由は、積極的に活動していた
高校生の頃とは違い、大人になったいま、



長崎の平和に対して、
当時の熱量を向けられていない自分に
向き合う日でもあるためだ。



あの頃の想いは、自分の中から
消えてしまったのだろうか?

 
 
ある日、本棚を整理をしていると、
署名活動の書籍が出てきた。



懐かしいと思って本を開いてみると、
そこに当時の寄せ書きを見つけた。



「戦争も核兵器もない世界を」という言葉を
囲むようにして書かれていた言葉はこうだ。

 
 
「平和というつながりの中で生きる。」



20170809_01



心のつかえが取れるように、
少し楽になった気がした。



長崎の平和教育が育んでくれたものは、
なにも核兵器廃絶だけではない。



テラ・ルネッサンスが取り組むような、
紛争被害者の貧困解決や地雷の撤去活動も
「平和のつながり」に内包されている。
 
 

テラ・ルネッサンスの活動だけではなく、
多くのNGO・NPOが取り組む活動も、



さらには、それらに寄せる関心や、
寄付などを通じた活動への参加も、
「平和というつながりで生きる」ことに
なんら変わりない。



こうやって、8月9日に平和関連の記事を
読んでもらうこともそうだ。
今の自分にできることでいい。
 
 

平和は、世界という場所には存在しない。
映画『この世界の片隅に』( http://konosekai.jp/
にならえば、『片隅』が意味する個人にのみ所属している。



誰でもない私という個人が、
ささやかでも関心を持ち続けること、
行動し続けている状態が、総和としての
『世界平和』を実現するのだと思う。
 

 
1945年8月9日、
長崎原爆を懸命に生き抜いた祖母。



悲劇の果てに紡がれた生の奇跡に感謝し、
今日の日を大切に生きたい。



背中を押してくれるのは、
アジア・アフリカの紛争被害から
立ち上がろうとする人たち、



日頃から私たちの活動を
応援してくれる人たち、
一人ひとりの想いだ。
 
 

明日も世界が平和でありますように、
私にできる、微塵の一歩を。
 

 
………………………
記事投稿/
PRチームマネージャー
小田 起世和


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「夢をかなえるために、しっかり勉強してほしい」

2017年度・夏季募金のコンセプトは「仕事」
テラ・ルネッサンスでは15年間の活動の中で、たくさんの地雷被害者や貧困家族が自立のために知識を得て、自分の足で未来に向かって一歩一歩力強く歩いています。

夏季募金終了まであと一か月。
7月は4回にわたってアフリカ3か国で行われている「仕事」と「人」をご紹介しました。
8月はアジア、カンボジアの「働く人」。

第6回目は「幼稚園の先生」
村落開発支援プロジェクトが行われているプレア・プット村で子どもたちに愛と教育を注ぐスーパー先生エム・チョンさんです。

子どもの未来をつくる」ために働く、いきいきとした姿。
改めて「仕事」って何だろう。「働く」って何だろう、と思いを巡らせてみてください。


子どもが好き、だから先生になった

看護婦として働いていたチョンさんですが、42歳の時に目が悪くなってきたことを理由に転職し、先生になって18年
先生になろうと思ったのは 子どもが好きだから 。実はチョンさん、一度やめようと思ったこともあるそうですが、いい先生なので周りに止められたそうです。

答えを間違えた子に教えている様子
答えを間違えた子に教えているエム・チョン先生

「孫は看護婦になりたいと言っているので、それを叶えてほしい。
他の子たちは警察、学校の先生、医者、看護婦になりたいと言っているからしっかり勉強してほしい。」
そう語るチョンさん。



そんなチョンさんが働いてて嬉しかったのは、給食がはじまって子どもたちに勉強を教える時間が増えたこと。
先月の14日に幼稚園で給食スタートしたことで、それにあわせて午後も小学1年生のための授業をしてもらうようになったのです。現在幼稚園生18名(内3名は先生の孫)、小学1年生15名の合計33名が学んでいるのですが、
1年生のうち4名は親と一緒に日雇いの畑仕事に行っているため、給食と午後の授業があることで、親が子どもを学校に預けようと思ってもらえることが大切だと考えています。

2015年11月に授業を開始し、1年間で子ども達は読み書き・簡単な計算ができるようになったといいます。
小学1年生の算数の授業では、分数の計算、3ケタの足し算もやっていて、他の学校の1年生よりもレベルが高い子もいるのだとか。

答え合わせをしている様子
答え合わせをしている様子


インタビューを行ったインターンの話

分数の計算など、1年生の算数の授業にしてはレベルの高い授業をしていたし、もしプレア・プット村に学校が、先生がいなかったら、この子ども達は読み書き・計算のできないまま大人になっていたかもしれない。

この先生はとても熱心で、給料から持ち出しで備品を購入したり、楽しみながら教えている様子が伝わってきたんです。
こちらもとても嬉しいし(子ども達が遊びすぎると木の棒をふるって厳しくするときもあるが笑)、
大きい子ども達は、親が日雇労働にでかけている小さい子達のめんどうを見ながら授業を受けていたり、助け合いながら学び暮らしていることが伝わってきました。

問題を解いている子どもと解き終わって小さい子の面倒を見ている子たち
問題を解いている子どもと解き終わって小さい子の面倒を見ている子たち


~支援してくれている日本の人へのメッセージ~

ここに住んでいる人達は、カンボジアの中でもとくに貧しい人たちです。
テラ・ルネッサンスの支援によって幼稚園ができ、子ども達の学力は向上しています。

備品は足りておらず、教科書やホワイトボード用のマーカー、模造紙は私の給料から賄っていますが、プレア・プット村の子ども達の学力が向上し、生活も少しずつよくなっていることに「おめでとう」と言いたいですし、私もとても嬉しいです。


遊びを教えている様子
遊びを教えている様子


記事執筆/
ヒアリング:カンボジア事務所 インターン  川島 綾香
編   集 :インターン 岡本

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「夢をかなえるために、しっかり勉強してほしい」
カンボジアの次世代リーダーを育てる先生。
そんな存在を、未だ紛争や貧困で苦しむ地域にも増やしたい。

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青い空は青いままで~広島72年目の朝~

みなさん、おはようございます。
テラ・ルネッサンスARチームインターンの長久です。


今日は2017年8月6日
広島に原子爆弾が投下されたあの日から、72年目の朝です。

突然ですが、わたしには毎年この日が近づくと思い出す歌があります。



青い空は青いままで 子どもらに伝えたい

燃える八月の朝 影まで燃え尽きた

父の母の 兄弟たちの

命の重みを 肩に背負って 胸に抱いて




1971年の第17回原水爆禁止世界大会で発表された 『青い空は』という歌 です。
https://www.youtube.com/watch?v=e8BDfhtXvT4
わたしが生まれ育った広島では、小学生の頃夏になるとよく歌っていた気がします。
みなさんはどうですか?
もしかしたら聞いたことがないなんて方もいらっしゃるんでしょうか。


日本では、戦争が終わって72年が経ちました。

学校に行って、美味しいごはんを食べて、友だちとしょうもないことで笑いあって…
そんな毎日が当たり前の世の中です。

S_6497328681050.jpg
長野 photo by 小林稜弥(テラ・ルネッサンスインターン)


でも忘れないでほしい。

72年前、学校に行きたい、美味しいごはんが食べたい、たくさん友だちと笑い合いたい、
そう願いながら一瞬にして消えてしまった命があることを。

そんな彼らの命に想いを馳せながら
この悲劇をわたしたちに伝えたいと想いを歌に託した人たちがいることを。

そして今、この瞬間も世界のどこかで
学校に行きたい、美味しいごはんが食べたい、友だちと笑い合いたいと願いながら苦しんでいる人々がいることを。


「いちばん恐ろしいことは忘れられてしまうことです。だからわたしは伝え続けるのです。」

以前出会った語り部の方はわたしたちにそう強く話されていました。

S_6497188127783.jpg

2017年8月6日、午前8時15分。

今、わたしたちの上に広がる青い空はどこまで続いているのでしょうか。
そして、これからもこの青い空を守り、もっと広げていくためにわたしたちに出来ることって何なのでしょうか。

S_6497371555489.jpg
沖縄 photo by 米田瑞希(テラ・ルネッサンスインターン)

わたしは、まだ答えが出せていません。

S_6497364602998.jpg
タンザニア photo by 延岡由紀(テラ・ルネッサンス職員)

でも、わたしたちにも出来ることが必ずあるはずです。

だって、わたしたちひとり一人に未来をつくる力があるから。

わたしにも、そしてあなたにも、青い空を守り、そして広げていく力があるとわたしは信じています。

S_6497310728245.jpg

(ながひさ)

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